日本健康同盟(略称・健康同盟)

 Page8(2005年3月3日記載)

[21世紀の統合医療システム」のメディカル・モールの新規性(進歩性)の件(その6)

【    メディカル・モ−ル設立趣意書    】 ( 補足説明作成に当たり )

 印:リンク

   標記の件を考慮する上で必要な資料−その6                                         

                        2000年9月     

 ● 新規性(進歩性)の件   「健康同盟」世話人・酒 井  洋 明

「健康のためなら死んでもいい」

(著者・藤松 忠夫《ニュ−ヨ−ク在住》・ソディアック叢書出版・2000年3月発行):

●「(アメリカで)20年前に始まった国民健康増進計画」:

□一大国家プロジェクト「ヘルシ−・ピ−プル・プロジェクト」:

 アメリカの保健行政は日本の厚 生省に当たる連邦政府のDHHS(Department

 of Health and Human Services・保健・福祉省)が主管

 していますが、その中でも公衆衛生局長官(Surgeon General)

 を長とする公衆衛生局(Public Health Service)

 が中心になって1979年にスタ−トしたのが


 「ヘルシ−・ピ−プル・プロ ジェクト」なのです。

背景に医療費増大による国家財政パンクの危機感があった


 此の時に、各州の保健機関をはじめ、様々な民間の医療機関に協力を求めた。

□公衆衛生局長官は、1970年代の半ばに22人の専門家に依頼して「ヘルシ−・ピ−プ

 ル」の草案をまとめさせ、1万人の医療関係者や保健関係
者、学者などから意見を聴取して

 推敲を重ね た上で79年に「ヘルシ−・ピ−プル健康増進と疾病防止に関する公衆衛生局

 長官レポ−ト」を
 発表しました。此の中には3つの大きな目標が設定されている。

 すなわち:


1 健康寿命を延ばす事 
  
2 人種間の健康格差をなくすこと
   
3 国民の全てが健康増進運動に参加できる様にする事


□最初の発想は、高血圧や心臓病などの慢性の病気を減らす為に喫煙の習慣を減らし、また食

 生活 を改善してコレステロ−ル値を下げ、アメリカ人をもっと健康にしようというもので

 した。その ため
1964年から72年迄公衆衛生局長官のオフィスが「高血圧防止キャンペ−ン」

 をやった。此の時 各団体に協力を求めた。


□(アメリカにおける運動の進め方*メディカル・モ−ル設置構想の宣伝拡大に参考にな

 る。また厚生省の行政施策にも役立つ(酒井)
。*健康施策(例「喫煙禁止法」)はいきなり

 (国家的 規模で)連邦法で「法律」を作って権力で強行しようとしない。

 
1. まずジョ−ジア州アトランタのCDC(Centers for Diseases

   Control and Prevention 国立
防疫センタ−)にデ−タ−を

   集めさせ、それをヘルシ−・ピ−プル・プロジェクトに参加しているあらゆる機関に送る。

  2. ヘルシ−・ピ−プル・プロジェクトに参加している団体・機関:

   地方行政府、民間の医療機関、多数のNPO(非営利団体):全米医師会、全米ボ−イ

   スカウト連盟、全米看護婦協会、ナショナル・ネイバ−フッド・アソ−シエイション

   ほか300もの団体。

  3. 報道資料は全米のメディアに流して、例えば「タバコは心臓病の危険を何%、肺ガンの

   危険を何%増加します。」という記事を書いてもらい、
テレビでも積極的に流すといった

  、徹底的なPR戦術を展開します。


  つまり市民団体や市町村が自発的に、例えば「禁煙条例」を作るのを側面援助する。

→ *1つ完成後、地方に「メディカル・モ−ル」設置に賛成する条例案を議会に上程する

   運動を盛り上げてもいいだろう。(酒井)


1990年:公衆衛生局長官と保健・福祉省は「ヘルシ−・

 ピ−プル2000」計画を発表。

 これは従来の公衆衛生局長官レポ−トとは別もので、21世紀までに達成したい努力目標

 312項 目に関して、それぞれ細かく目標値を定めたものです。その中の10項目の努力

 目標を紹介:

1 エクササイズやフィットネス−−−運動をする

2 バランスのとれた栄養−−−アメリカの農務省と厚生省では「栄養のガイドライン

   Dietary Guideline for American 」を発行。野菜、果物 励行した。

3 タバコを出来るだけ吸わない様にする−−−18歳以上の成人で喫煙する人の比率を

  15%以下に減らす。

4 アルコ−ルの害を最小限に抑えること−−−泥酔運転による死亡事故を10万について

  8.3人以下にする(これは既に達成。現在は5.5人
)

5 精神衛生強化による自殺の減少−−−うつ病などの治療を強化することによって自殺者

  の数を10万について10.5人以下に下げる。アメリカでは年間3万人以上が自殺し

  ている。

6 環境汚染による健康阻害の防止−−−公衆衛生局としては、例えば乳ガンなども、環境

  ホルモンの問題や遺伝子の影響と並んで、環境汚染がリ
スク・ファクタ−の一つになって

  いると推定している。これは環境省が設定する基準値以上の汚染した空
気や水に接触する

  ことを極力減らす指導を行い、ほぼ目標を達成しています。その他、水や建材の鉛汚染が

  子供たちの血液に含まれる鉛の含有量を上げる問題についてもその改善を勧告し、現在は

  殆ど問題がなくなっている。

7 ガンを制圧する−−−子宮内膜のサンプルを培養検査する「パップ・テスト」を18歳以

  上の女性人口の95%に受けさせること。

8 糖尿病と慢性化するその影響−−−適切な治療と予防の為の指導をすることによって、

  糖尿病の余病で亡くなる人の数を10万人について、
34人以下にする事。この目標を

  達成できた州は17州に及ぶ。39人以下まで含めると37州という好成
績を上げている。

 HIVとエイズの防止対策−−−HIVウイルスの感染を防ぐ。エイズは感染してから発

  病するのに7〜10年というような長い時間を要するので対策が効力を発揮するのにも時

  間がかかる。


「市民権を得た代替医療」*この章で著者は「健康な人をさらに健康にする東洋医学」

、「プラシ−ボ−が証明する心の重要性」、「保険会社が送ってきた代替医療の解説書」

  などの項目挙げて標記の事を書いています。そしてこの章の最後の項目に「西洋医学と

  代替療法の共存
」を設けております。

● アメリカの代替医療のホ−ムペ−ジ:http://nccam.nih.gov/



→ (新規性−その7に続く)