日本健康同盟(略称・健康同盟)
Page5(2005年3月2日記載)
[21世紀の統合医療システム」のメディカル・モールの新規性(進歩性)の件(その3)
【 メディカル・モ−ル設立趣意書 】 ( 補足説明作成に当たり )
★印:リンク
2000年9月(2000年9月8日)
● 新規性(進歩性)の件 「健康同盟」世話人・酒 井 洋 明
標記の件を考慮する上で必要な資料−その3:
○「代替医療革命」(著者・林 義人・廣済堂出版)・1999年版より(続き)
●「代替医療は患者を苦しめる医療費を安くする」:
*近年は成人病が急増してきた。成人病★はと言われるように、若い内
から不摂生をして、中年になってなるべくして医者にかからざるを得なくなるケ−スも
多い。
→この本では「化学物質過敏症」には触れられていないが、「高度経済成長」の負の
遺産である人工化学物質・環境汚染物質 (環境ホルモンと言われる内分泌攪乱物質も
ある) が慢性病・難病の原因になっているという視点も忘れてはなるまい。これはN
HKの「世紀を越えて」のシリ−ズでも取り上げられており、定説でさえある。
●成人病は「生活習慣病」と割り切ってしまう事は環境問題の改善・自然との共生・
リサイクル(生活循環)の視点を見失う。 (酒井)
□代替医療は西洋医療と比べ、コストが大変安い。(人間の手、薬草=ハ−ブ、鍼灸、
呼吸法、瞑想など自然のものを使う為=酒井注釈)
□代替医療の根本的な考え方は、「病気を寄せつけない強い体質作り」と「自然治癒
力の強化・免疫システムの強化」に在る為、医療関係者の中でも利用する割合が高くな
っている。
●「代替医療に保険が適用されはじめた」:
〔アメリカでは)会員制健康管理機関・HMO★(Health Maintenance
Organization)=民間の保険会社への現在の加入者は700万人以上、
30を越える医療機関が加入しているという。
これが大きな社会的動きとなって全米30以上の健康保険組合が代替医療への支払い
を決めている。更に、すべての保険組合・機構が代替医療についての調査を開始した。
□アメリカで医療に関わっている人は、ほぼ1000万人に達しており、大学卒業者
の六分の一が医療関係者の仕事に就いている状況にある。しかし、ホ−ムドクタ−の
不足という事が問題になってきた。
□アメリカではOAM(代替医療事務室)の設立(新規性−その1に記載)の設立以来
、代替医療の分野の科学的研究は急速に進んでいる。代替医学をインタ−ンやレジデント
の教育課程でカリキュラムの中に組み入れる様になってきた。
□アメリカには98年の時点で125の医学部があり、うち75校までが非西洋医療に関
する講座を持つようになっている。 93年にはわずか15校しかなかったのだから数年
のうちに5倍になったのである。そして、全米の医科大学、医学研究センタ−などの代替
医療研究に国費が補助されている。 NIH(国立衛生研究所)では、代替医学の科目
を少なくても一つは医学生に学習させることを、すべての医学部に対して推奨しており、
既に50%の医学部で実施されている。
□ただし大学での代替医療の為の講座は、代替医療の専門家になれるというものではなく、
あくまでも「学びたい」という要望に応え たものなのである。
アメリカでは西洋医学と代替医療を完全に合体した「統合医療」
Integrative Medicine は未だ存在していない。
□しかし例外もある。その一つとしてアリゾナ大学医学部では、最初から統合医療を目指し
て動き出した。96年には同大学医学校付属病院に「統合診療部」が誕生した。また、コロ
ンビア大学の心臓専門病棟でも統合化の状況が起こっている。この病棟の患者の40%が代
替医療による治療を希望している。
□サンフランシスコ州立大学には「ホリスティック(全人的)医学」100日間プログラム」と
いうものがある。ここには主に開業医が集まって、期間内に気孔や漢方薬から食養生に至る
迄を学んでいる。アメリカではその修了証書を飾っておくだけで、患者が増えるという。
□イギリスではチャ−ルズ皇太子の肝入りで、代替医療研究プロジェクトチ−ムを作り、統合
医療の五か年計画を立て、国家レベルで代替医学研究に取り組んでいる。すでに手かざしヒ
−リングが一部健康保険の適用も受けており、科学的リサ−チも進められている。
□一方、日本の医科大学ではそのような動きは見られない。富山医科薬科大学、北里大学、
東京女子医科大学などで「東洋医学」★ の研究実践部門はあるが。いずれも民間療法は入
っておらず、代替医療に取り組む政府機関や代替医学講座を持つ大学はない。
■コンピュ−タ−ネットワ−ク上の医療情報(MEDLINE)でも、代替医療に関する情報
が飛躍的に増えており、入手可能な文献も3万種類を越えている。
●「代替医療は統合されていく」:(アメリカの潮流)
→ 重要(酒井の認識と一致している)
(1)疾病から健康へ
(2)症状の治療の専念から、個々人を総体的に(ホリスティック)治療し、活力を
増進させることへ
(3)伝統的西洋医学と代替医学は相互に学び合うものであるという認識へ
という事なのだ。
こうした転換は、医療体系の利用者、医療従事者、医療管理者など医療の周辺にいる人達には
すでに認知されている。
(新規性− その4へ続く)