日本健康同盟(略称・健康同盟)
Page4(2005年3月2日記載)
[21世紀の統合医療システム」のメディカル・モールの新規性(進歩性)の件(その2)
2000年9月 (2000年9月8日)
● 新規性(進歩性)の件 「健康同盟」世話人・酒 井 洋 明
標記の件を考慮する上で必要な資料−その2:
○「代替医療革命」(著者・林 義人・廣済堂出版)・1999年版より(続き)
●アメリカ国民の三分の一が代替医療を利用していた:
1993年、ハ−バ−ト大学代替医学研究センタ−所長のデ−ビッド・アイゼ
ンブルグ(Eisen berg)博士らは、アメリカ国民がどれくらい代替
医療を利用しているかについての調査報告を発表。−−−調査によると、
1990年の段階で「非正統的医療(代替医療をいう)」を受けたアメリカ人
は国民の34%に上り、代替医療実施者の所への外来回数は延べ4億2700
万回に達していた。此の数はかかりつけの一般開業医への外来回数3億3800
万回を超えるものだったのである。なお、97年の調査では、この回数は6億2
900万回と90年に比べ約5割も増加した事になっている。
● 治らない病気が増えている:
代替医療を受け入れる人が増えている事実は、それだけ従来の医療の在り方に対して疑問
を持っている人が多いという事。一つは、西洋医学では治らない沢山の疾病があることだっ
た。 アメリカ社会でも、ガンやエイズなど根治が難しい病気に対して、人々の「何とかし
たい」という切実な思いが強かった。同国ではガンと診断される人が毎年100万人おり、
人口の約40%の人間がいつかはガンに罹る計算である。高血圧患者は6000万人、関節
炎患者は4000万人、 その他にも、喘息、多発性硬化症、エイズ、慢性疲労症候群、脳
卒中、心臓血管疾患など治療不可能とされる病が蔓延している。
*西洋医学:感染症の治療や外科手術の面では問題なく強みを発揮。だが手も足も
でない疾病も多い。
一方で薬物療法や化学療法は、副作用をもたらす恐れもある。十分な健康カウンセリン
グが必要な場合にも、(診療時間がなくて:注釈=酒井)
それを薬物療法で済ませてしまう医師もいる。
→その中で、人々の目は新しく開発されたサプリメントによる予防・治療や、それまでは
採用されていなかった民間医療(カイロプラスティックマッサ−ジ、精神安静療法など)や
伝統医療(インディアンの薬草、中国医学など)の代替医療に向けられた。
●早期発見・早期治療は万全ではなかった:
X線CTという検査機器はかつて、「早期発見」に役立つとされ、「日本のすべての大学病
院に導入を」と叫ばれ、今やその数は日本中で数千台となり、世界の90%を占めるという。
減価償却するためには、その1台1台が毎日20人の検診をしなければならない計算で、
無理やり受診者を作り出さなければならないのが現状。(日本の)現代医療は国民皆保険制度
のもとにそうした「薬漬け」「検診漬け」をもたらしてきたわけで、そうした皺寄せが赤字に
喘ぐ国家財政にのしかかっている。
挙げ句の果てにこうしたハイテクの普及が、必ずしも治療成績の向上をもたらさない事が
分かった訳である。
→これはメディカルモ−ルを提唱している私の次の考え方と一致している。(酒井)
▲「どの治療法が合うかどうかは自分の原始的な感性(気分)に負うところが多い。
改善したかどうかをチェックする手段として現代医学の充実した検査機器を活用す
るのは有効である。しかし未だ最善とまではいかない。」
厚生省が「効果がある」としている胃ガン、大腸ガン、子宮頸ガンの3種類の検診について
も、決して現在が万全というわけではない。例えば、胃ガン検診でも10〜40%もの偽陰性
(見落とし)が指摘されている。おまけに、ガン検診のX線撮影による放射線被爆は「二次ガン」
を呼ぶ
例えば、アメリカでは検診を行うよりは禁煙キャンペ−ンを行った方が良いという趨勢にな
っている。西洋医学が金科玉条としてきた「早期発見、早期治療」にだけに頼っていては
いけないという認識が定着しようとしている。
此の事が西洋医学そのものの限界性を感じさせ、代替医療に目を向けさせる大きな要因になっ
ているのである。
*西洋医学:人体を心臓や肺などの機会の部品のようにとらえるという機械的な世界観に
基づいており、心の問題に触れることが出来ない。
バクテリアやウイルスといった細菌によって病気が引き起こされ、それに感染した細胞が人間
を死に至らしめると考える。
細菌を殺傷する事で、あるいは腫瘍があればそれを取り除こうとする事で病気から体を守ろう
とする。
*代替医療は科学ではとらえにくい心の問題(精神性・霊性)を大切にする「温かい医療」
の領域を受け持っている。
●(酒井)
体内環境、体外環境・謂わば「生命を取り巻く環境」に重要な視点を置く。生命には
自然治癒力が宿っており、無限の可能性を秘めている
と考える。
体外環境には「宇宙」という広大なものから「生活環境」という狭義のものまで
ある。「体内環境」には体液の状態、肉体の状態、皮膚・骨格の状態など考え
られる。森羅万象に生かされているという仏教思想に通じるものまである。
(次ページに続く)