日本健康同盟(略称・健康同盟)

 New Page3 (2005年3月27日−31日、記載)  治療情報−2特報


          自律神経失調症、神経症の精神面からの治し方


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健康同盟結成準備会ニュ−ス(治療法一覧)1992年2月24日ヨリ*1992年4月号 
電話受付=世話人代表・酒井洋明・(夜間8時〜11時半)●03-3777-8590 ・副代表・松岡安夫
   (夜間8時〜10時)●03−3975−3031

 自律神経失調症・不定愁訴症候群・慢性疾患(アレルギ−・肝臓疾患その他)に

 有効と思われる治療法一覧  *書籍の著者は記入なき場合は提唱者と同じ。

 **構成=( 酒井 洋明  )

 私(酒井)は 十代後半から二十代中頃にかけ、 家庭内の問題 と職場の問題に絡ん

 だ精神的ストレス(そこには、恨み・怒り・憎悪・不安・
驚愕・恐怖・敵意・嫉妬・肉体

 不安・生存への脅威・表に出せない感情の抑制−−−などがあった)から、胃潰瘍、下痢
 
 と便秘の繰り返し、肩凝り・首筋の凝り・頭痛から偏頭痛への拡大・頭をカナヅチで割っ

 てしまいたいほどの頭痛の連続・心臓の鼓動激化とパニック感情・被害者意識・妄念・


 経衰弱・強い不定愁訴感・音への過敏反応−−−−などを経験した。その頃、精神安定剤

 を服用したこともある。

 酒、煙草、トランキライザ−は一時的な気安めにしかならなかった。

 それどころか精神安定剤は麻薬を薄めたもので、依存心を深化させクスリが切れると不快

 な身体感覚を感じ、また、不安になるとクスリを求め、服用すると身体感覚は麻痺され、

 られた安心感 が生じ−−−といった繰り返しになった。

 そうこうしている内に
クスリの量が増え、麻薬中毒患者と同じような症状(幻覚・幻聴・

 被害妄想など)が出てきた。

 そして、怖くなりクスリを思い切って断った。禁断
症状にも耐えた。 

 いろいろな心理療法、呼吸法、めい想法、宗教書の本を読み、手当たりしだいに

 実践してみた。 
 
 そして、『生命の実相』(谷口雅春著・日本教文社)や
森田正馬氏の神経衰弱療法の

 鈴木大拙禅選集などに巡り逢い、やがて自分を奥深く、ありのままに見つめる心の技術を

 身付けていった様に思う。


 そして私はその心の技術を『自観法』自分の心とからだを観察する方法と名付け

 た。
それがたまたま河野良和氏の新自律訓練法とかなり共通していた。

 
それで、氏の『新自律訓練法』を紹介するわけであります。


  ▲ 河野良和先生とは最近、3月31日(2005年)、連絡を取り、連絡先が変更ないこと、先生がお元気な
    
     な様子である事を確認させて頂いております。

     河野先生のホームページ「河野良和の催眠療法」(のびやかで、しなやかに)

治療法  名称

 提 唱 者

  主  な    効  能

 書  籍  名

 連  絡  先

 TEL

新自律訓練法

河野 良和

*感情の安定  

「不快感に効く

河野心理教育研究所:

03− 3396

 新自律訓練 

東京都杉並区下井草3−39−3

−   6308

*末端部血流増大

 法」

 毎週木曜〜日曜

 五柳書院03-3264-4429

   (予約制)

*骨格筋
の弛緩・疲労回復

河野 良和

や予防、肩凝り  解消

「誰も知らな
かった
心身壮快法」

 

 同上

 同上

*心臓神経症の
  安定

 実業之日本社    =絶版

 昭和54年7月   初  版

 

 

*呼吸の安定・
  喘息の調整

 

 

 

 

河野 良和

「感情のコントロ−ル」

 同上

 同上

 

 

*頭蓋領域の過大   血流の減少

 河野心理教育
  研究所

 

 

 

 

*全身の安定と
   リラックス

 出版部発行

 

 

 

 

 

 

 

 

( 河野 良和 氏の理論 )*「何事も在るがままに気づき受けとめる」

 心身の平安を得るにはこれに尽きる。 

 *これが自分でできるようになると、すなわち、体得心得した時心身に変化が生じ始める。私が

期待するのは体得心得というわかり方を自分のものにすることである。

*(例)
1.身体感覚に注意する。

    2.例えば、温かい感じに注意する場合、あなたが今感じている

      温かさの感じとその温かさをあなたが感じている

      というように条件を分けてみるのである。 

      このように便宜的に分けて、

      温かさ(身体感覚)に重点を置くやり方をカギ1として使う。
 
    3.この場合に大切なのが素直に在りのままにということだ。

      今あなたが現に感じている通りに気づくだけ(カギ1)

    4.「それでは気が済まない、何とかなりたいと焦るような、

       素直になれない気持ち」になっている時、

       その気持ちにも「素直に在りのままに気づく」ことを補助キ−として用いると、

       カギ1を正しく使うことができるようになる。

    5.その「温かさ」は誰が感じているかと言えば、言うまでもなくあなたが感じている。

      ここで体験している内容の方ではなく

      「自分が今体験している」という、あなたの今

      の営みに気づくことがカギ2。


      これを難しく言うと「主体の体験性の自覚」といい、

      さらにカギ1とカギ2とを総合してうまく使うことを、

      「在るがままに気づき受けとめる」というのである。

    6.このような注意法を、「内的注意集中法」と呼んでいる。

    7.この内的注意集中法が感情についても身体感覚についてもすっかり身に付くと、

      大体数秒から数分で、気持ちが安定し身体感覚も快方に向かい、事態の受け取り

      方まで自分にとり、好ましい方向に変化する。

      ▲ 意志や努力などまったく無関係である。

      内的注意集中:在りのままに自分自身の心と体に感じている感じに素直に気づき、受

      けとめている

 *心身壮快法のカギは、この内的注意集中、すなわち在りのままに自分自身の心と体に感じてい

る感じに素直に気づき、受けとめていることである。
この方法を身につけると病気をすることが驚

くほど減るし、多くの病気が嘘のように消えていく。精神の集中法による心身の壮快法という所以。


**自律神経失調症は“ 治らない現代病 ”ではない!

□ 多くの自律神経失調症では、表われている症状よりもいろいろなことを気にかけてしまう

  感情の問題を解決しなければならない。

□ 医学的に検査しても身体器官そのものには、患者が訴えるような異常は見当たらない。身体器

  官の器貭的変化、組織的病変は見付からないのだ。

□ ところがその器官の働き、いわば機能検査をすると、確かにその働きにおかしなところが見付

  かる。胃で言うと胃酸分泌が増えている。運動の仕方も変である。

□ 身体の器官は自律神経の支配を受け、交感神経と副交感神経の作用で活発に働いたり、抑えら

  れたりしている。一つの器官の働きを交感神経と副交感神経がアクセルとブレ−キのような役

  割をして、うまくコントロ−ルしているのだ。だから器官そのものに病気はなくても、アクセ

  ルとブレ−キの働かせ方がアンバランスになっていればその器官の働き方がおかしくなってし

  まうのだ。

□□ 心の働きの中の感情の働きと自律神経、そして自律神経と身体のいろいろな器官とが

   、運転の仕方と車の関係でつながっている。そのつながり方に不適切な条件が生じた

   のが 自律神経失調症 なのである。

 

 □ 患者は頭痛がする、胃がおかしい、心臓が変だ、息苦しい、セックスが不調だ、

   と身体の器官の病気だと思い、内科や泌尿器科を訪れたりする。


   しかし、くどいようだが具合が悪いのは身体の器官ではない。

   それを運転するところの自律神経、更にはまたその運転者としての感情が問題だと
いう」

   ことが分かって頂けただろうか。


  この種の問題には河野式AT(自律訓練法の略)が著しい効果をあげる。


□□ 河野式AT(自律訓練法)のメカニズム

〇 先ず自分(心{特に感情}と体(身体感覚)に気付く。

〇 その手掛かりになるのが「内的注意集中」である。


〇 「感情・気分」には「どうということのない、普通の気持ち・感じ」も入る。感情を理性で分

  かろうとすると分からない。分からないけど
だれでも感じている。

  この、感じているということに気付くことが河野式ATの練習では大切。 

 → 次の紙面に続く。


健康同盟結成準備会ニュ−ス(治療法一覧)1992年5月23日ヨリ*1992年8月号(7月発行 
電話受付=世話人代表・酒井洋明・(夜間8時〜11時半)●03-3777-8590 ・副代表・松岡安夫
   (夜間8時〜10時)●03−3975−3031


 自律神経失調症・不定愁訴症候群・慢性疾患(アレルギ−・肝臓疾患その他)に

 有効と思われる治療法一覧(その5)     {新自律訓練法}(その2)

  河野 良和氏の著書より(前回の続き)  * AT=自律訓練法の略称

 河野式ATの構成  * 河野 良和氏の連絡先=河野心理研究所 ●03−3396−6308

  (『誰も知らなかった心身壮快法』より)  

 

 

内的注意のテ−マ

  練  習  内  容

    効     果

 

 

 気    分

現在の気分に気づき、
内的注意集中を行なう

感情の安定
、特に不快感情の鎮静化。

 

ひいては感情のコントロ−ル。

 

 

四肢
(両足・両腕)

の温度

現在感じている四肢の
温度に内的注意集中を

行なう。

末端部血流増大・
皮膚温上昇。ひいては高血
圧、
冷え性他血行障害

 

による心身不調の調整

 

 

四肢の重量感

四肢の重さ軽さの
感じに内的注意集中を行な
う。

骨格筋のリラクセ−ション。ひいては疲労の回復や予防、

 

肩凝り解消、スポ−ツ等での
リラクセ−ション。

 

 

 

心   臓

心臓の働きの
感じに内的注意集中を行なう。

心膊率の更なる安定。
心臓の機能への安心感

 

ひいては心臓神経症の安定。

 

 

呼   吸

呼吸している
感じに内的注意集中を行なう。

呼吸の安定。
ひいては喘息などの調整。

 

 

腹   部

腹部に感じている
感じに内的注意集中を行なう。

精神の安定と内蔵の機能の調整。
ひいては胃潰瘍、胃炎、胃痛

 

下痢、便秘等の調整。

 

 

頭   部

頭、額、顔に感じている
感じに内的注意集中
を行なう。

頭蓋領域の過大血流の減少、頭の痛み、頭重感の解消等。

 

 

 

全   身

全身に感じられている
感じに内的注意集中を行なう。

全身の安定とリラックス。
ステップ1〜7ま
での補完。全身的健康の増進、病気の発見。

 

全身的健康の増進、病気の発見。

 

 

 

      具体的な練習内容(練習の自己判定のポイント)

 

 

どのような感じであっても、今の気分、心持ちに気付きさえすればいい。

 

イライラでも、落ち着かない感じでも そのまま、
在りのままに気付くことができればいい。

 

 

腕や脚部の温度の感じに気付けばいい。

 

温かくても、冷たくても、格別どうということがなくても、
温度として気
付けばそれでいい。

 

 

腕や脚部の重度(重さ軽さの感じ)に気付く。
重くても軽くてもそれはかまわない。

 

 

心臓は生きているのだから動いている。その心臓の動きの感じだ。

 

ドキドキでも、静かだでも、別に何ともない感じでもいい。

 

 

呼吸していることでの感じ、胸や腹の動きとしてでもいいし、空気の出入りについてでもいい。自分が感じている

 

通りに気付けばいい。

 

 

腹部に感じている感じなら何でもいい、
そのまま気付いているようにする。

 

 

頭部に感じている感じなら何でもいい。

 

 

全身くまなく注意をめぐらし、どのように感じてもいい。
違和感でも、快い感じでも何でもいい。

 

 



*あなたが練習中に感じている感じなら、どのような感じでも、

その程度やニュアンスも種類も、一切制限ない。

普通の自律訓練法のように重いとか温かいとか、心臓が穏やかに打っている、

というような感じをつくる必要は 全くないのだ。


 今あなたが感じているそのままを、


在りのままに受けとめ続ける、という心持ちで感じていることができればよい のである。

このような基準で行なうので一日で行なうことも充分可能になる。

このカギ1は、自分が感じている感覚に素直に在りのままに
気付くことである。

 内的注意集中のカギはもう一つある。

それは「そのような感じは全て自分自身が感じているのだ。」

{* 編集者注=責任の所在を『自分』に置く、という考え方のように思われる。}

 ということに気付くことである。これが第二のカギだ。

(と著者は説明している。 )



 

 

 

 

 

 

 

 


          練習がうまくいっている時の反応

 

 




ゆったりくつろいだ、安定した快い気分が感じられる。

ふんわりと温められているような快い温かさが感じられる。

楽な、力が抜けた感じ、だらんとした、あるいは重たいような感じ。

心臓がとても楽で、穏やかにうってくる。脈搏が1分間で約十くらい少なくなる。

自分で変えようとしないで、深く静かな呼吸、それも脹式に近い呼吸になってくる。

胸部も、そして呼吸する感じも楽に感じられる。


腹部がゆったりと、時にポカポカと温かく感じられる。

頭が軽く、快い涼しさが感じられる。

スッキリした感じもある。


全体に楽な、ゆったりした快い感じ。  

サッパリした、爽やかな、いい感じが心身ともに感じられる。



健康同盟結成準備会ニュ−ス(治療法一覧)1992年5月23日ヨリ*1992年8月号(7月発行 
電話受付=世話人代表・酒井洋明・(夜間8時〜11時半)●03-3777-8590 ・副代表・松岡安夫
   (夜間8時〜10時)●03−3975−3031

   

     自律神経失調症・不定愁訴症候群・慢性疾患(アレルギ−・肝臓疾患その他)に

      

   有効と思われる治療法一覧(その6)     {新自律訓練法}(その3)

 [ 河野 良和著・『誰も知らなかった心身壮快法』(実業之日本社=絶版 ]ヨリ

   {「素直に在りのままに」なり切れない人のための『補助キ−』}

 * 今感じている感じを、そのままに感じているのではなく、

   「つい『なんとかしよう』と意図的、作意的になってしまう。

    そのような気持ちに自分で気付くこと」を補助キ−として用いる。   

 

 

やり方を間違えると効果が出ない

内的注意集中を行なうと、やがて別表
(前紙面=治療法一覧・その5)

 

のような心理、生理的な効果が得られる。

   そうなれば、完全に基本練習をマスタ−したことになる。しかし大切な条件がある。

  これらは練習の結果であって、それ(結果)を目標にすると、

  つい、そうなろうという意図や努力が
入ってくる。

  それは内的注意集中ではなくなるので厳重に戒めなければならない。

  *河野式AT(自律訓練法)の特徴(1)公式・暗示語は必要ない

  (暗示現象を使うのではない)

  要は、自分が心の中で感じているそのままに気付くこと、

  あるいは
、そのように内的注意をしながら、感じ続け、

  自分が今、そのように感じている(考えているのでは
なく)

  と気付くことが重要なカギとなる。

(2)場所や姿勢のの制約はない。 思いたった時にやれる。

   練習は、決められた順序で行なうこと。ただし、ステップ4と5は入れ
かえても良い。

(3)一日十分間やればいい
 
 河野式ATの場合はやればやるほどいい。(やりすぎになることはない)

(4)速習ができる 

  もちろん、ゆっくり丁寧に進んでも、それはそれだけの効果につながり、

  おおいに結構なことである。

(5)病気のある人への注意

あなたの病気が関係している練習段階は、決められた順序通りのステップではなく、

その段階を最後に行なう。


例えば心臓の具合の悪い人はステップ4を、基本練習のステップ8の後で行なう。

* 精神分裂病やうつ病の人はやらないほうがよい。(内的注意集中がやりにくい。)

  内的注意集中のつもりで、まずい注意の
仕方をすると悪化することすらあるのだ

(6)子供はやらないほうがいい。 

   正確に内的注意集中を行なうことを身につけるのは先ず不可能だ。

河野式ATのやり方

 

 

 

 

ステップ1

気分の内的注意集中

 気分とは、普段の気持ち(大体は普段の別条のない感情)のことであるが、

 練習としては、今感じている全ての感情
と思ってよい。{ 内的注意集中の中身 

(ここで)特に内的注意集中というのは、その注意の対象となっている

 事柄や事態については、ただ気付いているだけにとどめ、

 注意のしどころを、自らの心の内に感じられている感じの流れに置く注意の事である。 

*あなたの側の欲求や願望でどうにかしようとするような作為的能動的注意集中とはちがう。

 −−−自分にとっていやな、不都合な感じだから何とか変えようなどとしないで、

 
今現に感じている感じを素直にそのまま受けとめる

 注意の仕方が内的注意集中なのである。

 しかし、だれもがいちいち自分の気分を気にとめているわけではない。

 
まわりの様子、今自分が考えていることや、やっていることのほうに気をとられ、

 自分が今感じている気分、心持ちという感情の条件に留意する人はまずいない。

 それを心掛けて今あなたが感じている気分、心持ちに気が付いてみる練習だ。

 

 *気分に持続的に内的注意集中を行なうと、いやな感じは鎮まってくる。

(編集者注意=もう一人のク−ルで透明な自分で「感じている自分」を見つめていると

 もう一人の透明な自分が自然に拡がってくる感じであります。

 これを「見る自分」と「見られる自分」{=「感じている自分」}

 に分けてみると理解しやすくなるかもしれない。

 {体験者・世話人代表=酒井洋明の場合})


今(不快な感情が)おさまっていないなら、おさまらないままでいい。

 そのまま気付きながら感じつづける、というのがポイント。

 欲を出して落ち着こうと努めたりすると逆効果すら生じる。 

 
このように自分の感情、気分や心持ちに改めて内的注意してみると、

 いかに人間はハッキリしない、ボンヤリした、

 つかみどころのない感じでいる時の方が多いかがわかるだろう。

 それも今あなたが感じている感情である

 

 

言葉になおさない

感じられた感情は、そのまま「ア−、こう感じている−−−」「こういう感じなんだなア −−−」と気付くだけに止め、

 

「イライラ」とか「落ち着いているなあ」などと言葉に置き換えないことだ。

          それをやると効果は著しく削減される。

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健康同盟結成準備会ニュ−ス(治療法一覧)1992年5月24日ヨリ*1992年8月号(7月発行 
電話受付=世話人代表・酒井洋明・(夜間8時〜11時半)●03-3777-8590 ・副代表・松岡安夫
   (夜間8時〜10時)●03−3975−3031

 自律神経失調症・不定愁訴症候群・慢性疾患(アレルギ−・肝臓疾患その他)に

 有効と思われる治療法一覧(その7)     {新自律訓練法}(その4)

[ 河野 良和著・『誰も知らなかった心身壮快法』(実業之日本社=絶版 ]ヨリ

 

 

ステップ2

(四肢の温度の内的注意集中)自分の腕や脚に、今現にあなたが感じている温度の感じにとりあえず気付きさえすればいい。

 

              

間違っても「今は冷たいけれど、本当は温かいほうがいいのだ」などと思う必要はない。

今あなたは冷たい、と感じているのだから、
自信を持って自分が感じている通り、

そのまま感じ続けるのだ。

その時、自分が感じている感覚を言葉にして「冷たい」などとやらないことだ。

これをやるとその言葉による影響が出ることもある。

以上の要領で練習ができるようになると、結果として、

ほとんどの人が腕や脚が温かく感じるようになる。

*従来の自律訓練法では、「温かい」と自己暗示しても、一時、逆に血流が減少し

温度が下がることが知られている。

ほとんどの場合、受動的と言いながらも、その実、能動的注意集中になりがちだからだ。

その点、内的注意集中法では、素直に血流増大が生じる。

(編集者注意:内的注意集中とはその部分に「気」を集めることではないだろうか。

 「気」がそこに集まれば、そこに「血液」が集まる。

 血液がそこに集まれば、新陳代謝が盛んになり、そこが「温かくなる」というわけだ。

 ただし、これは仮説であります。)

−−−−この練習ができると、末端部の血流が増大し、自ずとホカホカしてきて、

 まるで温められているかのようにいい感じで温かくなる。 

 実際に、摂氏二度というのはごく少ないくらいで、皮膚温度は五度くらい簡単に上昇してしまう。  

**この四肢の血流増大で好影響が出るのは、冷え性や高血圧のほか、

  血管収縮や圧迫が問題になるレイノ−氏病、間歇性跛行症等によい。

 

 

ステップ3

(四肢の重量感の内的注意集中)
 *重くても重くなくてもその感じに気付けばいい。

 

{筋肉をゆるめる練習である}「重い」「軽い」「重くない」「重くも軽くもない」

 −−−感じられている
ものは何でもいい。

そのうちに、体から力が抜けた、楽なダラ−ンとした感じが感じられてくるだろう。

それが、完全にこの段階が身
に付いた時である。

(効果){骨格筋がリラックスする}四肢の緊張が緩むとほぼ全身がリラックスする。

    そうなると疲労が少なくなり、回復も早まる。肩凝りも徐々にではあるが消える。

 

 

ステップ4

(心臓の内的注意集中)*心臓の動きに気付くだけでいい。
−−−軽く心臓のところ(左乳のすぐ下)に手を当ててみ
る。

 


その時、手に鼓動を感じても、感じなくても、それはどちらでもかまわない。ドキドキだろうが、とても静かで自分でもわからないほどであろうと、手を当てた自分の心臓の感じに内的注意集中を行なう。




 {脈拍数が70→60 に下がる}安静にしている人の脈拍数は1分間に大体70前後である。 

 (効果){心臓神経症などに効果的}

 心臓神経症とは、自分の心臓の動きを気にしてしまい(内的注意集中と逆のこだわる注意)、

 どうにもならなくなるノイ
ロ−ゼである。

 

 

ステップ5

(呼吸の内的注意集中)*今の呼吸の感じに気付けばいい。
−−−感じているその身体感覚に気付けばいい。

 

{やり方のコツ、注意} 呼吸は自分の意志で(深くも浅くも)変えることができる。

これが下手をするとまずい
練習になるもとにもなる。静かな落ち着いた呼吸がいいのだ、

と思い込んでいると、ついそういう呼吸をしようとしまいがちだし、

苦しい感じがすれば、あっこれはいけない、と何とかしようとする気持ちが働きやすくなる。

これは呼吸の形式や不快さにこだわるからだ。

(効果){喘息などに効果的}

 
河野式ATで呼吸練習を行なうと、とても自然で容易に安定した呼吸が可能になる。
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 このような心身安定効果のほかに、大人の喘息に効果が得られることもある。          〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

**精神的に動揺している時は、別に激しい運動をしているわけではないのに、

  呼吸が浅く、速くなり、乱れがちなことは、ちょっと
気を付けてみると

  だれでも気が付くだろう。

  このようなときにこの技術を応用すると心身安定の効果が得られる。

 

 

ステップ6

(腹部の内的注意集中)*腹部の感じに気付く。

 

{臍下丹田をつくる}ヨ−ガや禅は経験的な人間の知恵の集積として呼吸法や腹の大切さを

 知っているのだろう。

 ただ、私(著者)に言わせると、

 呼吸法は呼吸の形式に、

 臍下丹田もその腹部への力の入り方のようなものに気を取られすぎていたように思う。

 −−−大事なのは、あなたが今現にそのように在り、そのように感じている、

 という条件そのものの自覚なのだ。

(効果){胃腸病・胃潰瘍・便秘・下痢に時
に劇的な効果を発揮}

(編集者注意:精神的ストレスを主因としたそれらの病気には効果を発揮する。)

 

 

ステップ7

(頭部の内的注意集中)*頭部に感じている感じに気づく

 

{頭寒足熱が得られる}頭部に内的注意集中を行なうと、丁度のぼせた時と反対の、

 ス−ッと頭が軽いような、快く涼しい感じとして
感じられることが多い。

 正しく練習していても、違和感が解消されない時は、何らかの身体症状があり、

 警告反応でもある

 

 

ステップ8

(全身の内的注意集中)
*全身一通りに注意を巡らせ、感じている感じ方に気づく

 

 *警告が働いたら医師の精密な検査を受けてみること。
あなたの感知した警告と精密検査の結果が一致していたら内的注意集中は一人前。

 効果:{全身の違和感の解消と安定}{病気の早期発見が出来る}

 ⇒ 続く   (しばらくお待ちください)